第3回 人文学と対話(2026)
グループで〈問い〉を作り、共有する
【第3回事前学習動画】「問いを立て、共有する」
セッションのタイムライン
質問:「あなたのおすすめの習慣はなんですか?」
「協働の探究のための〈問い〉を立て、共有する」
動画を視聴できないときの参考に
🎯 目的
協働の探究の出発点となる〈問い〉を立て、グループで共有してみよう
📋 内容
第2回と同じ手順で実施。自分の番が終わったら次の人を指名する。
💡 今日の質問
「あなたにとって欠かせない(好きな)食べ物 = soul food はなんですか?」
この質問に答え、先週のジェスチャーをしながら次の人を指名してください。
📚 質問と問いの違い
質問 Question:特定の相手や個々の考えをより理解するためにするもの
問い Inquiry question:参加者全員に対してなされる、探究のテーマや新しい論点の提案
通常の話し合いでは、話し合いのテーマや問題・議題のなかに含まれる〈問い〉を共有せずに話し合いを始めてしまい、話がかみあわないということもよく起こる。今日のワークでは、探究を始める前に、グループのメンバーの〈問い〉を理解し、共有することに挑戦しよう。
📝 事前準備
自分の研究テーマを離れて(それ以外で)、日常生活や社会で起こることについて、他の人と考えたいことを〈問い〉のかたちで表してください
✅ チェックポイント 1
解決策や答え、事実についての情報を得るためのものではなく、いろいろな人の「考え・意見 opinion」を聴くことのできる問いであるか?
💭 〈問い〉を立てるときも、哲学者の道具箱を使ってみよう
⚠️ 避けたほうがよい問い
問いに対する答えが「人それぞれ」となるようなものや、得たい答えの方向性があらかじめ決まっているものは、それ以上探究をしにくいので、修正したほうがよい。
→ 問いはなるべくシンプルがよい。ただしシンプルで大きすぎる問いは、答える方向がバラバラになるか答えにくいため、適度な問いのチャンクダウン(細分化、特定化)を行ったほうがよい。
Ex. 幸せとは何か? → お金持ちであることは幸せであることと関係するか?
✅ チェックポイント 2
自分だけでなく、他人も考えたいと思う問いであるか?
📝 修正例
Ex. なぜ日本では結婚しない人が増えているのか?
→ ある社会で結婚しない人が増えることをどう思うか?
→ あなたはある年齢になったら結婚することを当たり前だと思うか?
→ 前提を含まない考えは存在しないため、まったく無前提に問いを立てることは難しい。ただしその問題意識を共有できない参加者がいる問いから協働の探究を始めないほうがよい。
→ 初めは共有できそうにない問いでも、相手がその問いを立てた根本にある問題意識(考えたいこと)を理解して、問いを修正、改善すれば全員が共有できる問いになることが多い。
問いを共有し、作り上げていくところから、協働の探究はすでに始まっている。また、よい探究のなかでは、最初の問いがもう一度疑問にふされたり、修正されたり、新しい問いが派生するものなので、最初から完璧な問いをつくることにそこまでこだわる必要はない。
⚠️ ワークの目的
3人で協力して、対話の〈問い〉を立てる練習をすることです! 〈問い〉について答える、話し合うことではありません!
🔄 進め方
📋 各〈問い〉の話し合いの流れ
自分の〈問い〉については、最初の〈問い〉と他の人と一緒に修正した〈問い〉をメモしておくこと。あとで、ふりかえりシートで報告してもらいます。
対話と探究における「進行役」は、通常の話し合いにおける「司会」とはやや異なります。
💡 基本の考え方
対話における進行役は強いリーダーシップ(発言者を指名する、それぞれの発言を引き取ってコメントする、話し合いをまとめる)を発揮する必要はありません。今何を話したらいいのかを参加者に明示すること、参加者全員が偏りなく参加できる環境を作るのが進行役の役割です。
💡 (1) 何かあったらヘルプボタン!
ブレイクアウトルームからチャットは届かないので、何かあれば画面下の「ヘルプを求める」を押してください。
⚠️ (2)「ミーティング」から退出しないでね
「ミーティングから退出」と「ブレイクアウトルームから退出」の2つの選択がありますが、「ブレイクアウトルームから退出」を選んでください。
📝 記入例
自分が立ててきた問い:幸せであるとはどういうことか?
修正後の問い:お金持ちであることと幸せであることは関係するか?
修正した点とその理由:最初の問いはやや大きすぎるという指摘を受けた。他の人と話してみて、自分が経済的に豊かであることと幸福との関係を特に考えたいと思っているということがわかったので、問いをすこし狭めて修正した。
🎥 第4回への準備
第4回はテーマ「人文学は役に立つのか?ー現代における人文学の課題」についての背景知識、状況を解説した事前学習動画を視聴し、このテーマに関する自分の〈問い〉とそれについての(短い)答え、意見を考えてきてください。※第3回の学習参照
ティーチングスタッフ3人の模範演技を見る(3分程度)
3人で協力して対話の〈問い〉を立てる練習。〈問い〉に答え・話し合うことが目的ではありません。
準備:進行役(ステップ・やることを明示)とタイムキーパーを決め、3人全員が考えてきた〈問い〉を1つチャットに書く。
進め方:チャットで上に書かれた〈問い〉から順に、1問あたり15分で話し合う(目安:①9:30-9:45 / ②9:45-10:00 / ③10:00-10:15)。
🙅 〈問い〉にいきなり答えて意見を言わないでください!
※ 自分の〈問い〉については、最初の〈問い〉と他の人と一緒に修正した〈問い〉をメモしておくこと(あとでふりかえりシートで報告します)。
事前学習動画を視聴し、「人文学は役に立つのか」についての問いを準備してきてください。
【第4回事前学習動画】「現代における人文学の課題(前編)」
【第4回事前学習動画】「現代における人文学の課題」(後編)