問い
03

協働の探究のための
〈問い Inquiry Question〉を立て、共有する

第3回 人文学と対話(2026)

🎯

この授業の目標

グループで〈問い〉を作り、共有する

🎬

事前学習動画(再掲)

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【第3回事前学習動画】「問いを立て、共有する」

📄

配布資料

授業の流れ

セッションのタイムライン

1
ミニワーク

はじめのミニワーク「発声練習」

質問:「あなたのおすすめの習慣はなんですか?」

2
動画

講義動画の視聴

「協働の探究のための〈問い〉を立て、共有する」

📑

講義スライドの内容

動画を視聴できないときの参考に

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2
授業の目的と内容

🎯 目的

協働の探究の出発点となる〈問い〉を立て、グループで共有してみよう

📋 内容

  1. はじめのミニワーク "発声練習"(10分
  2. 今日のワークの説明、模範演技(30分
  3. 対話型ワーク③:協働の探究のための〈問い〉を立て、共有する(45分
  4. ふりかえりシートの提出について(5分
3
はじめのミニワーク "発声練習"

第2回と同じ手順で実施。自分の番が終わったら次の人を指名する。

💡 今日の質問

あなたにとって欠かせない(好きな)食べ物 = soul food はなんですか?

この質問に答え、先週のジェスチャーをしながら次の人を指名してください。

5 対話型ワーク③
協働の探究のための〈問い〉を立て、共有する(1)
  • 対話と協働の探究のためには、「質問」や〈問い〉が重要。探究(考えること)の基本は質問・問い→答え(問答)である
  • 第2回で行なった「質問」は特定の相手や個々の考えを深く知るために重要だが、他人とともに探究を始める場合には、その探究のテーマ・スタートポイントとなる〈問い Inquiry Question〉を立て、それを他人と共有することが重要

📚 質問と問いの違い

質問 Question:特定の相手や個々の考えをより理解するためにするもの

問い Inquiry question参加者全員に対してなされる、探究のテーマや新しい論点の提案

通常の話し合いでは、話し合いのテーマや問題・議題のなかに含まれる〈問い〉を共有せずに話し合いを始めてしまい、話がかみあわないということもよく起こる。今日のワークでは、探究を始める前に、グループのメンバーの〈問い〉を理解し、共有することに挑戦しよう。

📝 事前準備

自分の研究テーマを離れて(それ以外で)、日常生活や社会で起こることについて、他の人と考えたいことを〈問い〉のかたちで表してください

6
対話と協働の探究のための〈問い〉の特徴や条件(1)

✅ チェックポイント 1

解決策や答え、事実についての情報を得るためのものではなく、いろいろな人の「考え・意見 opinion」を聴くことのできる問いであるか?

💭 〈問い〉を立てるときも、哲学者の道具箱を使ってみよう

  • なぜ〜なのか? (What a reason for~?)
  • 〜とはどういう意味か? (What do you mean by~?)
  • 〜なのはどんな場合か? (Example)
  • ××は△△だと推論して(考えて)よいか? (Can I infer~?)
  • そもそも〜か?/〜を当たりまえと考えても大丈夫か? (Is it safe to assume~?)

⚠️ 避けたほうがよい問い

問いに対する答えが「人それぞれ」となるようなものや、得たい答えの方向性があらかじめ決まっているものは、それ以上探究をしにくいので、修正したほうがよい。

  • 検討すべき要素の多い、複雑すぎる問いではないか?
  • 問いが大きすぎ、漠然としていないか?

→ 問いはなるべくシンプルがよい。ただしシンプルで大きすぎる問いは、答える方向がバラバラになるか答えにくいため、適度な問いのチャンクダウン(細分化、特定化)を行ったほうがよい。

Ex. 幸せとは何か? → お金持ちであることは幸せであることと関係するか?

7
〈問い〉の特徴や条件(2)

✅ チェックポイント 2

自分だけでなく、他人も考えたいと思う問いであるか?

  • 対話の参加者全員に関係し、自分ごととして、自分の経験から考えることのできる問いか?(専門的な知識がなければ/特定の経験をしていないと答えられないものはなるべく避ける)
  • 問いの中に、他の人(他の参加者)が共有できない前提が混じってはいないか?

📝 修正例

Ex. なぜ日本では結婚しない人が増えているのか?

→ ある社会で結婚しない人が増えることをどう思うか?

→ あなたはある年齢になったら結婚することを当たり前だと思うか?

→ 前提を含まない考えは存在しないため、まったく無前提に問いを立てることは難しい。ただしその問題意識を共有できない参加者がいる問いから協働の探究を始めないほうがよい。

→ 初めは共有できそうにない問いでも、相手がその問いを立てた根本にある問題意識(考えたいこと)を理解して、問いを修正、改善すれば全員が共有できる問いになることが多い。

問いを共有し、作り上げていくところから、協働の探究はすでに始まっている。また、よい探究のなかでは、最初の問いがもう一度疑問にふされたり、修正されたり、新しい問いが派生するものなので、最初から完璧な問いをつくることにそこまでこだわる必要はない。

8
ワークの進め方(3人グループ)

⚠️ ワークの目的

3人で協力して、対話の〈問い〉を立てる練習をすることです! 〈問い〉について答える、話し合うことではありません!

🔄 進め方

  1. 3人のなかで進行役(グループワークのステップ・やることを明示する役)とタイムキーパーを決める
  2. 3人全員が自分の考えてきた〈問い〉を一つ、チャットに書く
  3. チャットで上に書かれている〈問い〉から順番に、以下の話し合いを行う(1つの〈問い〉あたり15分)
    目安:一番目 9:30-9:45、二番目 9:45-10:00、三番目 10:00-10:15
  4. 最初の〈問い〉が確定したら、次の〈問い〉についての検討に移る

📋 各〈問い〉の話し合いの流れ

  1. A. 〈問い〉を立てた人が、その〈問い〉を考えたいと思った理由、背景を簡単に話す
  2. B. 他の2人は、その人が〈問い〉を通じて考えたいことを理解・確認するために質問をする。理解できたら、対話と探究のための問いの条件・チェックポイントを踏まえて、よりよい問いになるように提案をしてもよい
    ⚠️ 注意点:〈問い〉にいきなり答えて意見を言わないでください!
  3. C. 〈問い〉の修正や理解、共有ができたら、〈問い〉を立てた人がチャットに〈問い〉の修正案を書き、確定させる
    ※時間内に問いの修正まで終わった場合のみ、内容について話し合うことができる

自分の〈問い〉については、最初の〈問い〉と他の人と一緒に修正した〈問い〉をメモしておくこと。あとで、ふりかえりシートで報告してもらいます。

9 参考
対話と探究における「進行役」の役割

対話と探究における「進行役」は、通常の話し合いにおける「司会」とはやや異なります

💡 基本の考え方

対話における進行役は強いリーダーシップ(発言者を指名する、それぞれの発言を引き取ってコメントする、話し合いをまとめる)を発揮する必要はありません。今何を話したらいいのかを参加者に明示すること、参加者全員が偏りなく参加できる環境を作るのが進行役の役割です。

  1. 進行役はグループの探究がどのステップにいるかを確認、明示してください。タイムキーパーがいる場合は時間管理はタイムキーパーがします
  2. 発言の順番は決まっている順番で回すか、進行役が最初の1人を決め、あとは発言した人が次の発言者を指名する
  3. ある論点について意見を一通り全員が言い終わったら、まとめることはしないで、他の人に対して質問はあるか、全員に対して投げかける質問や〈問い〉があるかを全員に聞いてください
  4. 進行役は、話し合いを早く進めることよりも、全員がよく考えられるように、ところどころでゆっくり時間をとることを心がけてください
  5. 1人の話が長い場合や、特定の人たちだけで話が盛り上がっている場合は、話を理解できていない人や他に言いたいことがある人がいないか確認しましょう
  6. 進行役自身も対話と探究の参加者です。進行に徹するのではなく自分の意見も話してください
10
Zoomの使い方について

💡 (1) 何かあったらヘルプボタン!

ブレイクアウトルームからチャットは届かないので、何かあれば画面下の「ヘルプを求める」を押してください。

⚠️ (2)「ミーティング」から退出しないでね

「ミーティングから退出」と「ブレイクアウトルームから退出」の2つの選択がありますが、「ブレイクアウトルームから退出」を選んでください

12
ふりかえりシートの記入・提出について
  • 今回も、今日の対話を振り返って、ふりかえりシートを記入し提出してください
  • 今回は、(3)の項目に、グループワークで、自分が最初に出した〈問い〉と、グループメンバーのサポートを受けて修正された〈問い〉とを両方書き、どのような修正があったかを簡単に書いてください

📝 記入例

自分が立ててきた問い:幸せであるとはどういうことか?

修正後の問い:お金持ちであることと幸せであることは関係するか?

修正した点とその理由:最初の問いはやや大きすぎるという指摘を受けた。他の人と話してみて、自分が経済的に豊かであることと幸福との関係を特に考えたいと思っているということがわかったので、問いをすこし狭めて修正した。

🎥 第4回への準備

第4回はテーマ「人文学は役に立つのか?ー現代における人文学の課題」についての背景知識、状況を解説した事前学習動画を視聴し、このテーマに関する自分の〈問い〉とそれについての(短い)答え、意見を考えてきてください※第3回の学習参照

3

質問タイム・模範演技

ティーチングスタッフ3人の模範演技を見る(3分程度)

4
対話ワーク

対話ワーク(3人グループ・15分 × 3問)

3人で協力して対話の〈問い〉を立てる練習。〈問い〉に答え・話し合うことが目的ではありません。

準備:進行役(ステップ・やることを明示)とタイムキーパーを決め、3人全員が考えてきた〈問い〉を1つチャットに書く。

進め方:チャットで上に書かれた〈問い〉から順に、1問あたり15分で話し合う(目安:①9:30-9:45 / ②9:45-10:00 / ③10:00-10:15)。

  • A. 〈問い〉を立てた人が、その〈問い〉を考えたいと思った理由・背景を簡単に話す
  • B. 他の2人は、考えたいことを理解・確認するために質問する。理解できたら、対話と探究のための問いの条件・チェックポイントを踏まえて、3人が共有できるよりよい問いになるよう提案してもよい
  • C. 修正・理解・共有ができたら、〈問い〉を立てた人がチャットに修正案を書いて確定させる(時間内に修正まで終わった場合のみ、内容について話し合うことができる)

🙅 〈問い〉にいきなり答えて意見を言わないでください!

※ 自分の〈問い〉については、最初の〈問い〉と他の人と一緒に修正した〈問い〉をメモしておくこと(あとでふりかえりシートで報告します)。

5

ふりかえりフォームの記入

ふりかえりフォームを提出する
📚

次回の準備

事前学習動画を視聴し、「人文学は役に立つのか」についての問いを準備してきてください。

【第4回事前学習動画】「現代における人文学の課題(前編)」

【第4回事前学習動画】「現代における人文学の課題」(後編)

前の授業

質問をする

第2回 質問を通じて自他の考えを理解する

次の授業

聴く

第4回 「人文学は役に立つのか」:現代における人文学の課題