導入
01

導入:デジタルツール活用の下準備

第1回 コーパス演習(2026年度)

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本章の到達点

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第1回 授業動画

内容

1.1

この章の位置づけ

この章は、内容の学習というより、研究活動を進める状態をつくるための準備の章です。研究は「ひらめき」だけでは進まず、日々の小さな作業が積み上がって前に進みます。その小さな作業を支えるのが、学習環境と運用ルールです。

この手引きでは、毎回さまざまなツールを扱います。しかし、ツールの操作だけを覚えても、研究生活の中に定着しないと意味がありません。そこで最初に、何のために/どう進めるか/どう評価されるかを整理し、安心して動き出せる状態を整えます。

1.2

本授業の目的

本授業の目的は、人文学研究における「調査・読解・思考・執筆・発信」という研究活動の流れを、デジタル技術を用いて設計し、運用し、発展させることを体系的に学ぶことです。単なるツールの操作習得に留まらず、研究目的や関心に応じてツールを選択し、組み合わせ、研究プロセスの中に位置づける判断力を養います。

ここで重要なのは、研究の中心はあくまで人間の頭と手にある、という前提です。ツールは研究を「代行」するものではなく、研究を継続可能にするための足場です。

1.3

学習環境の準備

この手引きは、スマートフォンだけでも「読む」ことはできますが、作業の多くはPCのほうが安定します。特にNotionや各種ツールは、キーボードと大きい画面があると作業効率が大きく変わります。

必要なもの

  • PC(推奨:ノートPCでも可)
  • 安定したネット環境
  • メールアドレス(各種サービス登録用)
  • ブラウザ(Chrome / Edge / Firefox 等)
1.4

Notion 基本操作

Notionは「ページ」と「ブロック」でできています。この二つがNotionの特色で、その点について理解しておくと、Notionの操作の大半は解決します。

1.4.1 アカウント作成と初期設定

Notionのアカウントを作成し、ログインできる状態にします。学内メールが使える場合は、学内メールで作ると後々楽なことが多いです。

初期設定の優先順位

  1. 使う端末の決定(PC中心)
  2. 同期の確認(ログインした端末間で同じ内容が見えるか)
  3. 通知の整理(必要な通知だけ残す)

1.4.2 ページ構造

ページは入れ物で、入れ子にできます。おすすめは、まず「玄関」を作ることです。最初から完璧に分けなくて大丈夫ですが、「投げ込み場所」だけは先に作ると、詰まりにくくなります。

玄関ページ(例)

  • Inbox(思いつきの投げ込み)
  • 授業ノート(各回のメモと提出物)
  • 研究プロジェクト(自分のテーマに関するノート)
  • 文献メモ(読む/読んだ記録)
  • タスク(やることの一覧)
  • 目標管理

1.4.3 ブロック

Notionの1行1行はブロックです。段落、見出し、箇条書き、チェックボックス、画像、表など、ほとんど全部がブロックとして扱われます。操作の近道はスラッシュ(/)です。/ を打つと部品一覧が出るので、そこで選ぶだけで形が作れます。

よく使うブロック

見出し(/h1, /h2, /h3 箇条書き(/bulleted list 番号付きリスト(/numbered list To-do(/to-do 目次(/toc 引用(/quote コード(/code コールアウト(/callout

1.4.4 共有

Notionの共有は便利ですが、設定が複数あります。ここで混乱しやすいのは「リンク共有」と「Web公開」の違いです。

  • リンク共有:リンクを知っている人がアクセス
  • Web公開:Webページとして公開(不特定多数の閲覧が起こりうる)
  • 検索公開:検索エンジンに載る可能性

限定共有が目的なら、基本は検索公開はオフです。編集権限やコメント権限も必要最小限にします。

1.4.5 テンプレート

テンプレートは「毎回の型」です。型は窮屈に見えますが、実は自由を生みます。毎回ゼロから書く負担が減ると、内容(考える部分)に集中できます。他のユーザーが作った完成度の高いテンプレートを使うこともできます。

1.5

入力効率化

入力効率化は、速さ自慢のためではありません。研究の集中は「中断」で崩れます。タイプミスやフォーマットの崩れは、全部「中断」になります。小さな中断を減らすと、思考の連続性が守られます

1.5.1 Markdown 記法

NotionはMarkdown記法に対応しています。全部覚える必要はありませんが、次のあたりは頻出です。Markdown記法を覚えると、構造化した文章を高速で作成できるようになります。

# 見出し1

## 見出し2

### 見出し3

- 箇条書き

1. 番号付き

- [ ] To-do(チェックボックス)

**太字**

*斜体*

`コード`

> 引用(引用ブロック)

Markdownは「見た目」だけでなく、構造を作るのに役立ちます。見出しが整うと、後から読み返すときに迷いません。

1.5.2 ショートカット

覚えた分だけ作業スピードが上がります。ただし、最初の段階で全部覚える必要はありません。まずは以下のショートカットだけで十分です。

操作 ショートカット
太字Ctrl/Cmd + B
斜体Ctrl/Cmd + I
下線Ctrl/Cmd + U
元に戻すCtrl/Cmd + Z
1.6

タイピング練習

タイピングは、研究における「筆圧」に近い基礎体力です。文章を書く量が増えるほど、タイピングの差は積み上がって効いてきます。

本授業では、無料で遊べるタイピング・ゲーム寿司打sushida.net)での練習をお勧めします。

具体的な目標として、寿司打の「高級 1万円コース」(文字数が9から14文字以上、制限時間120秒)の「普通モード」を「お釣りあり」でクリアすることを設定します。目標が明確であれば、練習が習慣化しやすいからです。

練習の考え方

おすすめは「短く、頻繁に」です。一気に30分やるより、5分を毎日やるほうが伸びやすいです。

  • 週5日:5分〜10分
  • 週1回:寿司打1万円コース(記録更新を狙う)

伸びやすいポイント

タイピングが伸びないときは、気合よりフォームが効きます。

  • キーボードには「ホームポジション」と呼ばれる基本の指位置があります。左手の人差し指を F、右手の人差し指を J に置きましょう。この2つのキーには小さな突起があり、見なくても位置が分かります。
  • 画面を見て打ちましょう(キーボードを見ない)
  • ミスしても慌てないでください(ミス後の立て直しが速さ)

キーボードを身体化する

自分のコンピュータのキーボード表を印刷して、目に見えるところに貼っておきましょう。特に、記号の位置を頭と身体で覚えましょう。自分のお気に入りのキーボードを見つけるのも良いと思います。

📝

授業時間外学習(チェックポイント)

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